五十嵐の戯言

 現代を生きる若者は俺を頼り過ぎじゃないか?そう思ったのはここ最近のことだ。いわゆる俺は記憶媒体で不特定多数の記録だ。俺自身の意向なんて誰も求めちゃいない。そんな中、俺を食べてくれるという奴が現れた。名前はキタローで雑種の犬だ。どうせ、自分には意思ないんだから食べられても問題ない。他人の記録でしかできていない俺はそれに興味はない、さっさと食べてくれよ。犬は地球をも覆い尽くす大きい口で僕を食べた。
犬は言う「そんなに美味しくないや」
俺は言う「またそう言う」
 人々は困って困り果てた。俺に意思がなかったせい所為だ。
犬は言う「グルルルルル」
人は言う「うるさい、それどころじゃないんだ」
俺は言う「犬の中がこんなに綺麗だなんて俺のデータにはなかったな」